この記事は埼玉県の日本百名山、両神山について書いています。
日本百名山のひとつ、埼玉県の両神山は奥秩父山塊の北部にある山岳信仰の霊峰です。
両神山には表登山道をはじめ、登山コースがいくつかあり、私が登ったコースは私有地の白井差新道です。日本百名山で私有地だなんて、ちょっと驚きますよね。
白井差新道は所有者の名物おじさんがケガや事故のないようにと登山道の整備をしています。沢や滝があり、見晴らしのいい景色がとても気持ちがいいです。
4月下旬〜5月中旬はアカヤシオの花が満開を迎え、山頂付近ではピンクに色づいた景色が見所を迎えます。
山頂からは表登山道にある両神神社に参拝しました。両神神社には2つの祠があるのですが、祠はお互いに背中向けて建っています。
イザナギ、イザナミの二神を祀っているからかな?
名物おじさんのお話では、どうやら違うみたいだよ。
名物おじさんにあらかじめエピソードを聞いていたので、少し変わった見方で参拝しました。答えは後ほど…
私有地の登山道を歩く機会は珍しく、山の事や裏話など通常の登山では分からないことも聞くことができて、とても楽しく登山することができました。両神山登山をする方の参考になれば幸いです。
【日本百名山】アカヤシオが美しく咲く埼玉県の両神山登山・白井差新道
標高奥秩父山塊の北部にある標高1,723mの両神山は、日本百名山の1つで、山岳信仰の霊峰です。
山名についての諸説
- イザナギ、イザナミの二神を祀っていることから、両神という説
- 日本武尊の東征のおりこの山を八日間見ながら通過していったので八日見山と名づけられた説
- 「龍神を祭る山」が転じて両神山となった説
両神山の登山コース
表登山道(表参道)
登山者の多くが利用する一般的なコース。(日向大谷まで路線バスあり)
日向大谷から会所〜清滝小屋〜富士見坂を経て山頂の剣ケ峰に至る道で鎖場が数ヶ所あるが、特に難しい所はない。
七滝沢コース
遭難事故の多いコースなので、初心者には不向き。
会所で表登山道から分かれ、清滝小屋の少し上部で再び合流する。霧降滝から養老滝にかけての左岸の部分に急な鎖場がある。
八丁峠コース
露出した岩が多く、長い鎖場があり急勾配の多いコース。
八丁峠までは南北両面から登れ、峠から行蔵坊ノ峰〜西岳〜東岳を経て山頂に至る。(バス停から遠い)
- 北面の登山口→駐車場、トイレ、東屋があり
- 南面の登山口→落合橋に数台分の駐車場があり
梵天尾根コース
迷いやすいので一般的なコースではない。距離が長く一部に鎖場があり、細い尾根がある。(中双里までバスあり)
中双里〜白井差峠(800mほどの標高差の急勾配)〜梵天ノ頭〜三芳岩を経て剣ケ峰
白井差新道(しらいさがしんどう)
整備されたとても歩きやすい山道。私有地で協力金1,000円が必要(要事前予約)。
駐車場、トイレあり。(白井差口までは路線バスあり)白井差〜大又〜(表登山道と合流)〜剣ケ峰
白井差新道を通って両神山「剣ケ峰」へ
白井差新道は私有地でユニークな名物おじさんが管理されています。(事前予約が必要)
- 登山日 :2021年04月30日
- 登山コース:白井差新道〜(山頂〜両神神社へ)〜白井差新道
- 登山者 :Gさん、モカリーナ
- 登山時間 :7:00~13:30(6時間30分)休憩含む
登山マップと名物おじさんの説明
名物おじさんから手作りの登山マップを手渡してくれ、登山道について詳しく説明してくれます。両神山は代々名物おじさんの私有地だったのを、埼玉県と他に譲渡して今は3/1余りを所有しているそうです。
駐車場とトイレ
協力金の中に駐車料金は含まれています。登山コースを急遽白井差新道に変更した訳を話して、予約なしで当日早くにお願いしました。後でお見せしますが、下山後には登山バッチがいただけます。
トイレは2つあって、とてもキレイです。
注意書きと予約先
トイレ前には注意書きの看板があります。
協力金は登山道の整備などに充てているそうで、無事に生還した際に支払います。
両神山頂までの私有地に登山用ルートを整備しました。下記の条件で入山を許可します。
- 必ず予約して許可を受けること
- 山は危険な場所です。自分で事故やケガの責任を負う事
- 環境整備料 1人1,000円
- 必ずピストンで日帰りとする事
- 岩登り、沢登りは禁止
- 落石、倒木、落枝に注意
- 植物、鳥、魚、昆虫などは大切に
- 犬は連れていかないで
- 山を汚さないで
無謀な入山は違約金を戴きます。
土地所有者 両神簿10139
山中豊彦 Tel.0494-79-0494
モモンガの巣箱
「木に吊るしているフライパンは何ですか?」と名物おじさんに質問しました。
冬の間に寒さを凌ぐために設置している巣箱にはモモンガの赤ちゃんがいて、もうすぐ顔を出すとのこと。フライパンはエサ入れで、巣箱にいる他のモモンガの家族にもエサをあげているそうです。
手作りのたくさんの木の橋
名物おじさんは登山者が事故やケガのないように、日々登山道を修理したり新たに橋をかけています。
登山道はとても美しく、迷わないように赤点でナビゲートしていたり手書きの看板もかけてあります。
橋に使っている丸太の切り口、道に添えられた丸太に、一生懸命作業する名物おじさんの姿が目に浮かびました。私有地の登山道を登る機会は珍しく、山に対する愛情を感じました。
登山道を作って下さる方々に感謝です!
美しい登山道を、ぜひ見ていただきたいな~
白く美しい昇竜の滝
落差20mの昇竜の滝は、白く美しい滝です。滝壺や沢には、美しい水に住むという岩魚が泳いでいました。
飲用できる沢の水
沢の水は生活水にも使用していることもあり、上流の源流に近い所は飲用ができるとのことでした。
飲んでみると、とても冷たく美味しい〜♬
拓けた気持ちのいい登山道
登山道は拓けた場所が多いので見晴らしがよく、難所はほとんどありません。
アカヤシオの花が一面に咲く山
4月下旬〜5月中旬はアカヤシオの花が満開を迎えます。
2021年4月30日、私の行った時には花の咲き始めでした。寒い日が続いたので今年は遅めだったとのこと。
また秋は紅葉も美しいことで有名です。
両神山の剣ヶ峰山頂へ
山頂手前で、私有地の登山道から表登山道と合流します。剣ヶ峰山頂付近は鎖を使って登ります。
標高1,723mの山頂には両神神社の祠があります。
山頂は狭いので、交代しながら記念撮影しました。
遠くには富士山、南アルプスも望めました。
表登山道にある両神神社へ
山頂から表登山道を30分ほど下り、中腹にある両神神社を参拝しました。表登山道は歩きやすい私有地のとは違い、一般的な山道です。
両神神社の御祭神
両神神社の御祭神はイザナギ、イザナミの両神です。
両神神社の2つの祠のエピソード
江戸時代に両神山では修験道からお金を貰い、儲けがでるようになりました。そのため山の所有者の2人が仲違いをしたので、祠を2つ建てたそうです。(名物おじさんより)
両神山の登山バッチ
無事に下山した後に協力金をお支払いすると、記念に登山バッチがいただけますヽ(´▽`)/✨
両神山にアカヤシオの花とエゾシカのついたバッチです♬
まとめ
埼玉県の日本百名山の両神山の白井差新道のコースを登山しました。
白井差新道は私有地で事前予約が必要で、協力金1,000円がいります。登山道は整備されていてとても美しく歩きやすいです。
4月下旬〜5月中旬はアカヤシオの花が満開を迎え、秋には紅葉がとても美しいです。
両神山は滑落しやすい危険な場所があり、これはどの山にも言えることですが命の危険性があります。
名物おじさんは遭難者の人命救助もされていて、滑落の捜索のやり取りを電話でしているのを下山時に耳にしました。白井差新道はケガや事故がないようにと整備をしているので、今までに死亡事故はないそうです。
登山するときに山の説明を受けることや、滑落の危険性を生で聞く機会はめったにないことなので、白井差新道を選んでとてもよかったと思いました。
私有地の登山道を歩く機会はなかなかなく、山や登山道について考えるいい機会になりました。ぜひ体験していただければと思います。
それでは次回また、モッチャリーナ(๑˃̵ᴗ˂̵)!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
モカリーナより♡