雪華模様が江戸の町で大ブレーク!ロマン溢れる「雪の殿さま 土井利位展」2023【古賀歴史博物館】

この記事は茨城県古河市の古河歴史博物館「雪の殿さま 土井利位展」について書いています。

こんにちは、モカリーナです♬

茨城県は雪国ではないのに至る所に雪の結晶の模様「雪華模様」がある町があります。

古き良き商店街や街頭、小学校の脇の歩道などに雪華模様が散りばめられていて、とてもロマンティックな気分になります。

何故のこの町には雪華模様が描かれているのでしょうか?

それは江戸時代に雪の研究観察をした古河藩の「雪の殿さま」と親しまれた土井利位藩主がいた町だからです。

近年私達が見かける雪の結晶の模様が、日本では江戸時代から描かれていたなんてとても素敵ですよね。

この記事では寒い季節に開催される古河歴史博物館の「雪の殿さま 土井利位展」の紹介をしています。

雪華模様が江戸の町で大ブレーク!ロマン溢れる「雪の殿さま 土井利位展」2023【古賀歴史博物館】

雪の殿さま 土井利位展」は茨城県古河市の古河歴史博物館で1月〜2月頃に開催されています。

Gさん
Gさん

2023年は1/5(木)〜2/26(日)でした!

開催日は毎年開催日は少し違うのでこちらで調べてから訪問してください。→古河歴史博物館

博物館では

  • 常設展示 古河藩家老鷹見泉石が収集・記録した蘭学関係資料(展示室1)
  • 原始古代から近現代の歴史の概観(展示室2)
  • 奥原晴湖や河鍋暁斎らの書画作品の紹介(展示室3)
  • テーマによって展示替(展示室1・展示室3)

博物館は撮影不可で、そのため展示物を写真で紹介できないです。

受付フロアではオランダの楽器ストリートオルガン夢あんどんが展示されていました。

営業情報
  • 開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 入館料 一般 400円(団体20名以上 300円)小中高生  100円
  • 三館共通券(古河歴史博物館、古河文学館、篆刻美術館入館可) 600円 など
  • 休館日 月曜日、国民の祝日の翌日、年末年始、館内整理日(毎月第4金曜日)

雪の殿さま 土井利位ってどんな人?

土井利位肖像(古河歴史博物館パンフレットより)

土井利位(どいとしつら)は江戸時代の古河(こが)藩主で1789年(寛政元年)5月に、土井利徳(としなり)の四男として誕生しました。

嫡子でなかった利位に転機が訪れたのは25歳のとき、本家の土井利厚の養子に迎えられました。

そして後に雪の結晶研究観察をすることとなります。

利位が34歳の時に養父の利厚の死去に伴い、古河藩八万石を襲封し幕府の要職老中など務め、江戸幕府の財政の立て直しなどに大きな功績をあげています。

1848年7月2日病没、土井家菩提寺であった浅草誓願寺に葬られ後に古河正定寺に改葬されました(享年60歳)。

土井利位の略年表
  • 1789年 1才 支藩刈谷藩主土井利徳の四男として誕生
  • 1813年 25才 宗家古河藩主土井利厚の養子となる
  • 1822年 34才 古河藩一万石加増となり八万石を襲封し、大炊頭(おおいのかみ)となる
  • 1832年 46才 「雪華図説」刊行
  • 1839年 49才 大塩平八郎の乱を鎮定→京都所司代を拝命
  • 1839年 50才 江戸城西の丸老中に昇進
  • 1840年 51才 本丸老中に昇進
  • 1841年 52才 「続雪華図説」刊行
  • 1842年 54才 海防掛に任命
  • 1843年 55才 日光社参の将軍徳川家慶を古河城に迎える・主席老中となる
  • 1844年 56才 江戸城本丸再建普請総裁となる・老中辞任
  • 1847年 59才 古河へ帰国
  • 1848年 病没 浅草誓願寺から古河正定寺に改葬

日本最初の雪の科学書「雪華図説」

雪の降りそうな天候となった時、あらかじめ黒色の漆器を空気中にさらして冷却し、そこへ雪の片を受けて観察する。吐息のかからぬように注意し、雪片をピンセットでつまみ、手の温度が伝わらないよう気をつける。鏡で光を当てればさらに燦然(さんぜん)と輝く。

雪華図説の要約(古河歴史博物館パンフレット)より

雪華図説とは

雪華図説(古河歴史博物館パンフレットより)

雪華図説」は利位が20年をかけて観察した雪の結晶を「雪華」と名付け、自ら執筆した本です。

雪華模様は「雪華図説」では86種類を収録、「続雪華図説」では97種類を採録した日本で初めての雪の結晶観察図鑑です。

顕微鏡(古河歴史博物館パンフレットより)

雪の研究観察について

  1. 雪が降りそうな夜を選び、黒地の布を屋外の冷気であらかじめ冷却する。
  2. 冷えた布で降雪を受ける。
  3. 布の上の雪を崩さないように注意してピンセットで取り、黒漆器に移す。
  4. 吐いた息が試料にかからないよう注意しつつ、「蘭鏡」(オランダから渡来した顕微鏡の意味)で観察する。

整った形の結晶が観察するため大きな結晶が形成されなおかつ牡丹雪のように癒合しない、−10℃から−15℃の気温の中、顕微鏡観察を行ったそうです。

また「雪華図説」の刊行には古河藩家老 鷹見泉石(たかみせんせき)の活躍が計り知れません。今で言う編集者のような役割で、泉石の培った洋学者達との情報を駆使したそうです。

モカリーナ
モカリーナ

歴史博物館では雪華研究風景の模型などもありました。

雪の結晶に関する書物

格致問答(古河歴史博物館パンフレットより)

古河歴史博物館では「雪華図説」「続雪華図説」「重刻雪華図説」に記載されている雪華模様の拡大写真が展示されていました。

この「雪華図説」の本文執筆にあたり、利位は「格致問答」という洋書を参考しました。この本はオランダの牧師さんマルチネットが、18世紀後半に子供向けの教科書として書いたものです。

また本の中の雪の結晶の12種類の図案も引用されました。博物館には川島恂二氏が所有していたものが展示されています。

江戸時代後期に越後魚沼の雪国の暮らしを紹介した風土記「北越雪譜」には2ページほど雪華図説から引用した雪のスケッチが記載されています。

江戸時代に大流行した雪華模様

とても多忙だった利位でしたが雪の結晶の研究観察は20年間続けました。

雪の結晶の美しさを発見し、茶器・香炉・風呂敷・袱紗(ふくさ)・鞍・刀装具・襖など、身の回りの様々な調度品や道具に雪華模様を散りばめて愛用しました。

モカリーナ
モカリーナ

利位は自分で雪華模様の型のお菓子を作っていたそうです!

この雪の殿さまの業績は江戸文化にも取り入れられ、漆器や陶磁、浮世絵にも盛んに取り入れられ大流行しました。

人々は利位に対して親しみを込めて「雪の殿さま」といい、雪の結晶の雪華模様を利位の官途名の大炊(おおい)から大炊模様と名付けたそうです。

博物館には漆器や刀のつば、印籠などに描かれた雪華模様、着物や刀の下緒に刺繍された美しい雪華模様が展示されていました。

また古河市には町の至る所に雪華模様があります。小学校の校章や歩道、街灯など雪華模様を探して歩くのも楽しいですよ(*´˘`*)

古河歴史博物館で購入したもの

博物館では雪華模様をモチーフにしたお土産が購入できます。

  • 雪華印 ゆきはなじるし
  • こがのかさ
  • 雪華グラス(ゆきはなぐらす)
  • アクセサリー類 ネックレス、ストラップなどスワロフスキーのアクセサリー

また雪華模様の記載されている(1000円)も販売されていたようですが、既に売り切れており再販の予定は決まっていないそうです。(2023年2月時点)

残念に思っていると雪華模様のページをコピーしてくれるということで、コピー代をお支払いしてコピーをいただきました。

モカリーナ
モカリーナ

とても嬉しいです!感謝しています(*´˘`*)

まとめ

今回は古河歴史博物館で冬季(1月〜2月頃)に開催される「雪の殿さま 土井利位展」に行きました。

博物館では常時展示されているものとテーマによって替わる展示があります。

茨城県古河市には雪の結晶の模様が至る所に散りばめられています。雪華模様を見つけながら古河の町並みを散策してみてはいかがでしょうか。

私は雪華模様を見つけるために古河市の町を散策してきました。こちらの記事を合わせてぜひご覧ください!→只今作成中

合わせて読みたい!

雪華模様が江戸の町で大ブレーク!ロマン溢れる「雪の殿さま 土井利位展」2023【古賀歴史博物館】

それでは次回また、モッチャリーナ(๑˃̵ᴗ˂̵)!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

モカリーナより♡

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です